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ルーペ不要論

某kakaku.comにも書いた事だけど、フォトルーペというのは本当にしょぼい見え方しかしない。4倍から5倍程度だと、「小さな字が大きく見えてラクでしょ?」程度な見え方しかしないし、8倍10倍だと木を見て森を見ず状態になる。それでも本当に細かいチェックがやりやすければまだ許せるが、実は全然やりやすくないのだ。

はっきり言って、プロジェクターの再現力の方がルーペのそれよりも遥かに上である。ローエンド機種のアカデミカでさえ、定評のある4倍ルーペと8倍ルーペを足したよりも遥かに高い再現性を持っている。問題はプロジェクション特有の煩わしさであるが、これもブック型スクリーンとスリーブキャリアを使えばかなり軽減され、ことさらルーペを買い足す必要性は感じられない。もちろん色温度の問題は残るが、いずれにしろルーペでは色温度を云々するような高度な見え方はしないのだ。なんだったらポジを蛍光灯にかざして汎用のデスクルーペで覗けばいい。専用品と言ったところでその程度の見え方でしかない。

この事はもっと声を大にして言われるべきである。なぜなら、ルーペ程度のしょぼい画像をリバーサルの真髄と勘違いし、それに見切りをつけてデジタルに走ったり、ネガに走ったり、あるいはせっかくのフィルムなのにデジタルスキャンにしか活路を見出せなくなった人々というのが、少なくないように思われるからだ。ルーペを使うなら使うでかまわないけども、あくまで簡易チェック程度にしか使えないことは、きちんと踏まえた上で使うべきである。

こういった道具は、大量のポジを迅速にチェックする為の道具なのだろう。いくらアカデミカの方が画質が良いと言ったところで、それで百枚単位のポジをチェックするのは大変だ。ルーペを使う場合、ライトボックスさえ十分な大きさを持っていれば、一気に大量のポジをおけて、かたっぱしからルーペでチェックする事が容易になる。もちろん細かいチェックなどできないわけだが、プロともなればそのしょぼい画像から印刷の上がりまで想像がつくようになるのかもしれない。

そんな作業が定期的に必要ならばルーペは不可欠な道具と言えるかもしれないが、一枚一枚とじっくり付き合うようなアマチュア的用途においては、たいして必要でもないものだ。「ポジを始めるならまずルーペとライトボックス、それも高価なものを」という誤った常識に、くれぐれも振り回されないで欲しいと思う。無理して買う事は無いし、買うにしても安いもので十分なのである。

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