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スライドプロジェクター クセノンとハロゲンの画質の違い

クセノンの強烈な明るさと白昼色に近い色温度による映写は、まさに凄まじいの一言である。画面のコントラストが上がり、画面の隅々まで光が行き渡り、ハロゲンが苦手とする微妙な太陽の光も忠実に再現してくれる。ハロゲンでは例えば朝の淡い光のどこまでが現実でどこまでがカラードリフトなのかわかりづらかったが、クセノンならそういう微妙なニュアンスも一発で分かる。

さらにコントラストが上がって画像に安定感が出るようで、いかにも「幻灯機」というような儚げな感じがまるでしないのだ。今時の高輝度デジタルプロジェクターだろうがなんだろうが、この映写に勝てる機械が存在するのか?と思ってしまうほどだ。

一方のハロゲンだが、こちらがそんなにダメかというと、決してそんな事はない。映写一発目の派手さはないものの、じーっと見ているうちにフィルムの奥行き感や階調、それに解像感までもがじわじわ押し寄せてくる。先ほどまでクセノン以外有り得ないと思っていたのに、ハロゲンはハロゲンで何の問題もないのではないかと思えてきてしまうから不思議だ。

結局のところ、圧倒的な光量と白昼色に近い色温度で、最初から分かりやすくフィルムの能力をさらけ出してくれるクセノンランプと、少し見慣れないとその良さが伝わらないハロゲンランプの違いと言えるのかもしれない。結局どちらも同じところに到達するにせよ、その入り口が違うというか。

とはいえ250W程度のハロゲンランプというのは、やはりスライドプロジェクターにとって少々暗すぎたのではないか。例えばクセノンで映写して始めて、銀縁眼鏡のフレームが鋭く反射しているのがわかったり、強い反射を受けた草がつぶれずに解像しているのが分かったりと、それ程多くはないながらもハロゲンで再現できていなかった部分は確かにあったのだ。単純に美しいか美しくないかではなく、フィルムの能力を100%引き出すという観点において言うなら、やはり圧倒的にクセノンプロジェクターに軍配が上がるだろう。

どちらにしても映写において感動するのはフィルムそのものであり、ランプにではない。ランプはあくまでフィルムの能力を引き出す舞台にすぎない。クセノンとハロゲンの画質比較を真剣にやればやるほど、何度もその結論に到達した。このちっぽけな35mmフィルムの中にこんなに広大な世界が収まっている、その事に改めて驚かざるを得ないのだった。この映像を見てなおデジタルは銀塩を超えただの、解像度がどうしたこうしただの、そんな知った風な事を言っていられる人間がいるとは私には想像できない。

もしフィルムが無くなったり、クセノンプロジェクターのメンテナンスができなくなったりして、この映写が地球上から消えるような事があれば、それは人類の財産の大きな損失である。いくら時代の流れとはいえ、そんな事があっては決してならないと思う。

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