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中判プロジェクションへの悩み

ぶっちゃけ35mmクセノンプロジェクターで個人的には「上がり」なのである。重いとかうるさいとか将来のランプ供給が不安とか、そういう画質以外の要素では色々悩むところがあるが、画質面では本当にパーフェクト。何の不満も無い。

だから例え相手が中判プロジェクションであろうと、それが250W程度のハロゲンランプである限り、まったく負ける気がしないのだ。プロジェクションの場合は粒状性はさほど気にならないし、いくら細かい描写ができたとしても、その明るさではフィルムの能力を100%再現できない事は既に私達は学んでいる。

とはいえ、実物を見ずに予想ばかり立てていても仕方が無い。現状に不満があるわけではないが、もしさらに上があるなら見てみたいと、そういう好奇心でもって中判プロジェクターを調べている。現行で新品で手に入るのはローライとkindermannの6×6、Goetshmannの6×7ぐらい。日本では余り知られていないようだがGoetshmannというのは高級プロジェクターメーカーで、例えばG8585 S2というモデルは、なんと1200Wのメタルハライドランプを装備している。ただしクルマ一台ぐらい買えそうな値段になるかもしれないので、もう少し現実的なところではG67Pというモデルがあって、こちらはハロゲン400Wながら、なぜか6000ルーメンもの明るさがあるという。下位モデルのG67が1000Wハロゲンなのに3000ルーメンにとどまっているのを見れば、G67Pがとんでもなく高い効率を持っている事が分かる。

ただしGoetshmannの場合はメインが6×7で、6×6はプッシュプルキャリアという手差しキャリアオプションを使う事になるらしい。で、私が欲しいのは6×6なのだ。たまになら手差しも良いが、いつもそうだとなるとちょっとやってられない。そうなるとローライかキンダーマンの方が良いという事になるろうが、そうすると今度はハロゲン250Wしかないというジレンマにぶちあたる。中判は35mmと違って色々なフォーマットが混在しているから厄介だ。中判プロジェクターを作るメーカーが少ないのも、案外その辺に原因があるような気はする。

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スライドプロジェクター クセノンとハロゲンの画質の違い

クセノンの強烈な明るさと白昼色に近い色温度による映写は、まさに凄まじいの一言である。画面のコントラストが上がり、画面の隅々まで光が行き渡り、ハロゲンが苦手とする微妙な太陽の光も忠実に再現してくれる。ハロゲンでは例えば朝の淡い光のどこまでが現実でどこまでがカラードリフトなのかわかりづらかったが、クセノンならそういう微妙なニュアンスも一発で分かる。

さらにコントラストが上がって画像に安定感が出るようで、いかにも「幻灯機」というような儚げな感じがまるでしないのだ。今時の高輝度デジタルプロジェクターだろうがなんだろうが、この映写に勝てる機械が存在するのか?と思ってしまうほどだ。

一方のハロゲンだが、こちらがそんなにダメかというと、決してそんな事はない。映写一発目の派手さはないものの、じーっと見ているうちにフィルムの奥行き感や階調、それに解像感までもがじわじわ押し寄せてくる。先ほどまでクセノン以外有り得ないと思っていたのに、ハロゲンはハロゲンで何の問題もないのではないかと思えてきてしまうから不思議だ。

結局のところ、圧倒的な光量と白昼色に近い色温度で、最初から分かりやすくフィルムの能力をさらけ出してくれるクセノンランプと、少し見慣れないとその良さが伝わらないハロゲンランプの違いと言えるのかもしれない。結局どちらも同じところに到達するにせよ、その入り口が違うというか。

とはいえ250W程度のハロゲンランプというのは、やはりスライドプロジェクターにとって少々暗すぎたのではないか。例えばクセノンで映写して始めて、銀縁眼鏡のフレームが鋭く反射しているのがわかったり、強い反射を受けた草がつぶれずに解像しているのが分かったりと、それ程多くはないながらもハロゲンで再現できていなかった部分は確かにあったのだ。単純に美しいか美しくないかではなく、フィルムの能力を100%引き出すという観点において言うなら、やはり圧倒的にクセノンプロジェクターに軍配が上がるだろう。

どちらにしても映写において感動するのはフィルムそのものであり、ランプにではない。ランプはあくまでフィルムの能力を引き出す舞台にすぎない。クセノンとハロゲンの画質比較を真剣にやればやるほど、何度もその結論に到達した。このちっぽけな35mmフィルムの中にこんなに広大な世界が収まっている、その事に改めて驚かざるを得ないのだった。この映像を見てなおデジタルは銀塩を超えただの、解像度がどうしたこうしただの、そんな知った風な事を言っていられる人間がいるとは私には想像できない。

もしフィルムが無くなったり、クセノンプロジェクターのメンテナンスができなくなったりして、この映写が地球上から消えるような事があれば、それは人類の財産の大きな損失である。いくら時代の流れとはいえ、そんな事があっては決してならないと思う。

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クセノンのスライドプロジェクター

ELMO OMNIGRAPHIC 550 XENON MULTI。白昼色のクセノンランプのスライドプロジェクターである。長期在庫の新品未使用品。

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重量30kgオーバー。映写の度に腰が心配になる。

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光学パートと本体を取り外してみる。本体の方はハロゲンモデルのオムニグラフィックとほぼ同じだから、コダック互換のトレーやレンズが使える。

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手前に見えるU字型金に、本体の前足を挟んで固定する。右側奥に見えるケーブル二本を本体に接続。一本は純然たるリモートコントロール用のケーブル、もう一本はリモート兼電源供給ケーブルのようだ。

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こちらは送風ファン。ただしここからの風を受ける本体の方には穴があいておらず、どうやら本体の底面を外側から冷やしている様子。

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業務用機器ではおなじみの、抜け防止対策が施された電源コード。ランプ内部は数万ボルトにも達するとの事なので、アース端子もきちんと接続したい。

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さて電源投入。豪快にうなりを上げるファン。やはりうるさい。

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本体を外したままランプを付けてみる。外は快晴だというのに、まるで夜みたいになってしまった。

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本体に戻って、裏側を見てみる。光は右側の丸いレンズを通って本体内に入っていく。断熱用のレンズだろうか?

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本体に光源が無いので、中はガランとしている。光学系はコンデンサーレンズが一枚だけ。

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標準ではT2と呼ばれるコンデンサーレンズが付属してくる。180mm以上の長焦点用だ。140mm以下の映写レンズを用いる場合は、T1と呼ばれるコンデンサーレンズを用意する必要がある。幸いにもエルモ社に在庫があるとのことだったが、ハロゲン用のオムニグラフィックと共通とのことだったので、Omnigraphic 253のそれと入れ替えてすませた。

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ランプ調整やトレー送り修理などのメンテナンスを受けた。もうかなり昔の製品だが、今だにこうしてメーカー修理を受けられるというのが心強い。

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