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フィルムは便利で手軽!

「デジカメは便利で手軽」といわれるが、本当にそうだろうか。確かにパソコンに取り込む分には手軽だ。だが今のようにデジカメもプリント主体になってくると、必ずしもパソコンに取り込む必要は無くなってくる。DPEショップにメモリーカードを渡せば20分ぐらいで仕上がり、オリジナルデータが欲しければCDにも焼いてくれる。こういったPCレスな環境が主流になりつつあるにもかかわらず、相変わらず写真はPCに取り込んでナンボだと思い込んでいる人達がいて、そこの部分だけで手軽だ便利だと主張するのである。プリントを前提にするならばデジタルもフィルムも手軽さは変わらないのだ。

それでも一般ユーザーがデジカメを買う理由は、ランニングコストが安く見えるからだろう。しかしいちいち全部プリントして、挙げ句の果てにCDに焼いてもらっていたら、フィルム代や現像代との差額は僅かになってしまう。その差額でデジカメ本体の値段のモトを取ろうと思ったら、余程たくさんの写真を撮らねばならない。下手したら今のデジカメを償却し切る前に次のデジカメへ買い換えているかもしれない。もしこうなったらフィルムカメラより高く付いていることになる。

では性能面はどうか。確かに高価なデジタル一眼の絵は相当きれいだ。しかし二、三万前後の普及価格帯で比較するなら、実はフィルムカメラの方が圧倒的に高画質なのである。考えてみて欲しい。画質を決定するのはレンズとフィルムの二つだ。そしてどんなに安いフィルムカメラであろうと、この二つの要素のうちの一つ、すなわちフィルムだけは、プロ用カメラと全く同じ条件なのである。これに対してデジカメの場合、フィルムに相当する撮像素子の質は本体価格に比例する。つまり安いデジカメには安い撮像素子しか付けられない。この条件で同じ画質になると思う方がおかしい。

もちろん、画質はそこそこでいいと考えているユーザーも多いだろう。だがフィルムカメラの優れているところは画質だけではない。起動時間が短く、データの書込み時間が必要ないので、デジカメよりもスピーディーに撮影できる。さらにバッテリーの持ちは驚異的で、時々しか撮影しないならそれこそ数ヶ月単位で持つ。万が一切れてもスーパーやコンビニで買えるから気楽なものだ。一度この安楽さに慣れてしまうと、デジカメを使うたびに充電を繰り返していたアレはなんだったのだろうと思ってしまう。

要は使い方にもよるのであるが、一般ユーザーの使用状況から言って、フィルムはデジタルよりも安くて高画質でイージーなのである。デジカメこそむしろマニア向けと言えよう。写真が趣味で大量に撮る人、PCに取り込んで細かくレタッチするのが好きな人にはいいが、そうでない人にまで向いているとは思えない。

にもかかわらず実際の使われ方は逆のようである。子供の運動会でパパママ達のカメラを観察していると、むしろ一眼クラスの方にフィルムが残り、コンパクトクラスはほぼ100%がデジタルになってしまっている。いくら時代の流れとはいえこれは少々行き過ぎだ。ユーザーは合ってないものを使わされれ、その結果フィルム関連事業が圧迫されている。メーカーは例えばNATURAのような安価でまともなフィルムコンパクトをもっとリリースすべきだし、フィルム愛好者はことあるごとに周囲にフィルムを薦めるぐらいしても良いだろう。実際それは劣っているから廃れているのではなく、優れているのに廃れつつあるのだから。

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