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スライドプロジェクター

最近スライドのプロジェクションにハマっている。大画面投影されるポジは迫力の一言だ。自分の写真ながら思わず息を飲んでしまうこともある。ライトボックスと違って光源の色温度が低いのが難点だが、そんなもの軽く吹き飛ばすぐらいの圧倒的な表現力がある。しかも現像するだけで簡単に拡大画像が手に入るのだ。紙焼きで同じことをやっていたら金も時間も持たないし、さらにネガやデジタル画像と違って色管理の必要がない。これだけ簡便にこれだけの高画質が得られるメディアが他にあるだろうか?

とはいえ、今売られているプロジェクターがあまりに少ないのが難点だ。私はエルモ社のオムニグラフィック253という絶版機種を新古品で入手して使っている。ランプ250W、マガジンは最大80枚、マニュアルフォーカスながらリモコンでスライド送り/フォーカスできるという、家庭用には十分なスペックである。

Omnigraphic253の正面写真

コンパクトなボディからは想像できない程重く堅牢で、うっかり足にでも落とそうものなら即病院行きだ。どことなく古き良きメイドインジャパンを感じさせる良品である。できればインテリアとして置きっぱなしにしておきたいぐらいなのだが、ホコリが入りまくる構造なので最低限カバーは必要。

これにシュナイダーのPC Cinelux-AV MC 60/F2.8レンズを組み合わせる。オムニグラフィックはほとんどのコダック用レンズとライカRTシリーズ用レンズが付けられ、レンズの選択肢が広い。

schneiderレンズの図

標準で付いてくるエルモ 80/F2.8も悪いレンズではないのかもしれないが、シュナイダーのこれと比べると見劣りしてしまう。細部がグチャっと潰れがちで、全体的にどこかにじんだような印象になってしまうのだ。良く見ると色も若干違っているように思う。これは例えば、デジカメ等倍画像比べのような些末なスペック批判とはワケが違う。大画面において人間の目は細部と全体を同時に認識してしまうので、レンズ性能の善し悪しは鑑賞体験に直結する。カメラに詳しくない人にもすぐ分かってしまうような性質のものなのだ。

アカデミカの写真

実はもう一つ、富士フィルムのアカデミカも持っている。これはオムニを買った時に処分しようと思っていたのだが、結局売ることができないでいる。例えば十枚程度のスライドをさっと見たい時にはとても重宝するのだ。オムニではいちいちマガジンにスライドを装填しなければならないので、十枚程度では少し億劫に感じるのである。それにアカデミカは収納を前提に作られおり、出し入れも苦にならない。足の上に落としたとしても数秒悶えるだけですむ軽さも魅力である。

アカデミカオプションのブック型スクリーン

ブック型スクリーンはオプション扱いだが、ほとんどアカデミカのデフォルトスクリーンと言っていい。これだけ小さいと十分明るく映るので、部屋を真っ暗にせずとも十分観賞に耐える。電気を消さずにすむから日常の生活空間そのままにプロジェクションできる。確かに真っ暗なリビングでじっくり鑑賞というのがプロジェクターの王道ではあるけども、非日常的すぎて少し気合いが必要なのも確かなのである。

画質的には1.8mぐらいまで引き延ばしても十分見れるが、その際は部屋を真っ暗にしなければならず、スライドを一枚一枚手動で差し替える構造がネックとなる。真っ暗な中でスライドの方向を確認するのは思った以上に厄介で、この場合はやはり大容量マガジン+リモコンが現実的である。だからメイン機として使う場合は、画質よりも機能面が問題になるだろう。

細かいことを言えばもう少し立て付けをしっかり作って欲しかったし、スライドキャリアをフタに固定するベルクロは今ひとつやりにくいし、電源コードの蓋などちょっと粗く扱うとすぐ壊れてしまいそうなぐらい華奢なのが気になるところ。それでも日本の庶民的生活(?)に根ざした使い心地は快適で、中上級機を持ってみて逆にその良さがわかってくるという、ある種不思議な機械である。

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