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禁煙セラピー

今、私の周囲ではちょっとした禁煙ブームだ。発端はアレン・カー著「禁煙セラピー―読むだけで絶対やめられる」という本。

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この本によって苦もなく煙草をやめる人たちが私の周りで続出中なのだ。中には、本を読んだ人がその内容を口頭で紹介するだけでやめてしまった人もいる。私もまだ読んでおらず、内容だけ又聞きしたのだが、それだけでもタバコから手が遠のいてしまった。ものすごい伝染力の本である。

内容的には、自己啓発セミナー等で使われる「洗脳」手法をふんだんに用いている。そういうのに詳しい人なら、どういうスイッチを使っているのかすぐに理解できるだろう。ただ、例えば同じ医者でも名医とそうでない医者がいるように、この著者はセラピストの中でもかなり優秀なのだろうと思う。カラクリを知っている人にとっても、ものすごい説得力を持っている。

ただ、そこまでのカウンセリング能力を、禁煙などに使ってしまっているのがなんとも惜しい。この著者は他に、禁酒やダイエットの本を書いているようだが、そんな事が人生の最重要課題である人はごく一部だろう。ダイエットダイエットとうるさい女性たちが実はたいして太っていないように、解決すべきはその肉体よりもむしろ、ダイエットという強迫観念そのものだったりする。この著者の能力を持ってすれば、そういった強迫観念を持つに至った人生全体のプロセスを明るみにし、優しく取り去る事も容易いように思える。

ダイエットに比べれば禁煙はもっとプライオリティが高いかもしれない。だが約束してもいいが、禁煙によって劇的に人生が変わる事などあり得ない。友人の一人は禁煙によって菓子を食べる量が増えたと言い、ある一人はストレスで胃が痛くなる事が多くなったという。結局今日もまた、昨日と同じ問題で格闘し続けるわけだ。変わった事と言えば煙があるかないか、ただそれだけである。

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